ブログ

ブログ
ホーム/ブログ

古い井戸洗浄

2024年11月02日カテゴリー:ブログ


当山にございます古井戸は、200年以上前の創建当時に掘られたものと伝えられており、代々の先人たちの思いと祈りが込められております。この井戸は、深さ約13メートル、口径約1メートルの石積み構造となっており、長きにわたりお寺と地域を支えてきました。年月を経て徐々に水深が浅くなり、澱んでいく井戸をもう一度清らかな姿に戻すべく、このたび中津川市の業者さんに依頼し、三日間かけて洗浄を行っていただきました。

作業は10月28日から30日までの三日間にわたり、まず大型ポンプにより井戸の水をすべて排出しました。その後、職人の方が井戸底まで降り、高圧洗浄機を用いて、上から石積みの壁面を一つひとつ丁寧に洗い流しました。さらに、井戸底にたまっていた土砂や落ち葉などの堆積物も取り除き、最後にもう一度底をしっかりと清め、井戸全体が清らかな状態を取り戻しました。作業前は水深が約2メートルでしたが、洗浄後には約3メートルまで回復し、再び深い水の澄み渡る姿が現れました。

この井戸には、時代を越えて驚嘆すべき技術が施されております。最下部は固い岩盤層に支えられており、その上には八角形に組まれた木材が据えられ、その上に石垣が築かれております。この木材は、200年以上経った今も腐ることなく水中に残されており、当時の職人の方々の知恵と技術、そして祈りが込められていることを感じずにはいられません。

井戸はただの水の供給源というだけでなく、かつてはこの地の人々の暮らしや生活の象徴でもありました。幾代にもわたり、この井戸から汲まれた水が人々に潤いを与え、静かに時を重ねてきたかと思うと、その歴史の重みがひしひしと感じられます。今もなお、先人たちの思いが染み込んだこの水が、後世の私たちに清らかな恵みをもたらしていることを改めて心に刻み、未来へと受け継いでいきたいと思います。

  • 納骨堂
  • 交通のご案内
  • 各種お問合せ
TOPへ戻る